ホームセンター「ムサシ」を展開するアークランズ(新潟県三条市)は2021年9月21日、家電量販店「ヤマダ電機」を展開するヤマダホールディングス(群馬県高崎市)と業務提携し、ホームセンターと家電量販店を組み合わせた新業態の商業施設を展開すると発表した。
2022~24年に全国で6店の出店を計画しているといい、その中には「石川県野々市市」を含めている。
プレスリリースによると、新業態施設はホームセンター、家電量販店に加え、広域商圏型のスーパーマーケットや専門店街を併設する。
ただ、肝心の具体的な場所については市町村名しか言及されていない。
プレスリリースに添付されたイメージ図を見る限り、新業態の店舗をフルに整備しようとすると、少なくとも1万坪強の敷地は必要とみられる。
ムサシ、ヤマダはそれぞれ野々市に1店ずつあるが、その隣接地を含めても、1万坪という大きな土地はなさそう。そこで浮上する候補地が、5月に閉館したイオン御経塚ショッピングセンターの跡地だ。
イオン御経塚の跡地は敷地が4万6000平方メートル(約1万4000坪)ある。かねてアークランドが土地の取得を進めており、これまでは跡地活用について「ホームセンターを核にした施設」という風に濁していた。
今回の発表で、点と点がつながった感がある。
オープン予定は2023年
プレスリリースによると、野々市市の店舗の開業予定時期は2023年となっている。
イオン御経塚の跡地は現在、建物の解体工事が進んでいる。しかし、建物が巨大だからか、コロナ禍が影響しているのか、閉館から4カ月近くが経っても、まだ建物自体は威容をとどめている(イオン御経塚ファンとしては嬉しい)。
商業施設というのは、いざ建て始めれば割と早く建設工事が進むもの。ただ、解体工事の進ちょくからすれば、いくら何でも1万坪クラスの商業施設を2022年中に作れるとは思えない。
イオンモール白山と棲み分けも可能か
そもそもイオン御経塚は近くにイオンモール白山を造ったことから、自社競合を避けるため閉館したとみられる。
これまで小松しかり、高岡しかり、イオングループは新たにイオンモールを造っても既存のイオンショッピングセンターを残してきた。しかし、今回は潰した。あまりに距離が近い上、イオンモール白山がそれだけ総合力の高い施設という自負があったのだろうか。
そういう意味でも、今回のアークランドの新業態は「総合力の高い」イオンモールでも手薄なホームセンター、家電という領域が軸になる。さらにヤマダS×Lホームなどの住宅展示場も併設させれば、イオンモールと真正面から競合せず、むしろ何らかの相乗効果すら生めそうな業態と言える。
こうした点を考え合わせても、新業態の出店場所はイオン御経塚の跡地が有力とみられる。
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