2021年1~8月の地ビール出荷量、巣ごもり需要を追い風に伸び / 北陸は6.8%増

2021年1~8月の地ビール出荷量、巣ごもり需要を追い風に伸び / 北陸は6.8%増

2021年10月6日

東京商工リサーチの調査によると、全国の主な地ビールメーカー75社の2021年1~8月期の総出荷量は、前年同期比7・7%増の6601㎘となった。北陸は6・8%増だった。

地ビールは近年、メーカーも出荷量も増えており、前年同期は同社が調査を始めてから初めてマイナスだったらしい。つまり今回は2年ぶりの増加となる。

ちなみにビール大手4社の1~6月の販売数量は前年同期比6・0%減だった。

思うに、大手は飲食店など業務用がコロナ禍で振るわず、巣ごもり需要が高まる家飲み用では「ちょっとぜいたく」「ちょっと変わったもの」という感じで地ビールにシェアを奪われている構図があるのではないだろうか。

さて、地ビールの地域ごとの出荷量を見ると、北陸は5社中3社が増加、2社が減少し、出荷量は378㎘だった。

そう考えると、地域で6%超の増加という結果から想像できるほど良い状況でもないかもしれない。ただ、全国9地域の中で増減率を比べると、北陸は北海道の22%、関東の13%増に次いで3番目に高い(もっとも増減率は前年の水準に大きく影響を受けているので、参考程度に)。

最も減少率が高いのは九州で9%。次が中国で8%だった。

ネット販売や東京進出

調査によると、コロナ禍で地ビールメーカーはインターネット販売に力を入れる一方、東京への進出も視野に入れる動きが広がったらしい。

このコロナ禍では多くの飲食店や物販店が営業を終えた。その中には好立地であったり、家主側の事情から賃料を値下げして後継テナントを募集中の物件もあり、出店に意欲的な業者には追い風が吹いている。

コロナ禍からの「リベンジ消費」が本格化すれば、大きなチャンスが広がる。アフターコロナを見据え、地ビールメーカーが少しずつ動き出している。

飲みたくなってきた。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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