妻が「クリスマスプレゼントを買ってきた」と言うので期待して振り返ると、何の変哲もない七味唐辛子の瓶だった。確かに、しばらく前から切らしていたのだけれど…。
失意の中、野々市市の雑貨店「ルネファミーユ金沢店」を覗くと、数年前から気になっていた「トラベラーズノート」レギュラーサイズがセール価格に。通常は4,400円(税込み)と高価なので踏ん切りがつかなかったが、なんと今回は半額だった。
2,200円なら試しに買おうか、と考え、七味唐辛子はなかったことにして、自分用のクリスマスプレゼントとして購入した。
乾燥に加え、傷も多く…
半額なのには理由があり、おそらく店での取り扱い終了に伴って処分する展示品のようだった。トラベラーズノートは牛革だが、店頭で半額品を手に取ると、長く冷暖房にさらされたからか、乾燥してカッサカサ。傷も多く、最初は「半額でも買うべきかな?」と思った。
でも、クリスマスが近づき、華やかな雑貨がメインの棚に飾られる中、脇でひっそりと半額シールを貼られて「クリぼっち予備軍」扱いされているのが不憫で「よし、俺が復活させてやる!」とレジに持っていった。
帰宅して観察すると、既に一定の使用感すらある。だが、「ブルー」表記の色は青と緑の中間みたいなキレイな色で、メンテナンス次第では輝きを取り戻しそう。そこにかすかな希望を見出して再生作業に入る。
コタツでオイルを浸透させる
筆者は革靴にたまにオイルを塗る程度には身だしなみに気を付けてきたが、独立後はスーツを着る機会がない。あまりに乾いたトラベラーズノートを前に、靴箱の奥底に追いやられたミンクオイルを引っ張り出すとともに、霧吹きで軽く表面を湿らせた。
表面に薄く塗っては違う面にも塗り、元の面に戻り…という作業を3往復。オイルを浸透させるため1時間ほど日光浴させる。ただ、そもそも北陸の冬は日光とは縁遠い曇天続き。気休め程度にしばらく窓際に置いた後、コタツで温めて浸透を促した。
どこまで蘇るか
その結果が、下の写真だ!
どうだろう?
見た目は色合いが深くなり、触ると「しっとり」とした感じがある。
もちろん、近付けば多少の傷は見えるが、ほとんど気にならない。隣で見ていた妻も、あまりの再生ぶりに驚いていた(まあ、クリスマスプレゼントが七味唐辛子という方が驚きなのだが…)。
さて、トラベラーズノートの大きな魅力は「革の経年変化」と「柔軟にカスタマイズできるリフィル(中身のノートなどのこと)」だ。カサカサだった余り物のトラベラーズノートと、どんな未来を描けるか。その旅路のレポートは、またの機会にしよう。