北陸3県のドラッグストアが600店超え / コンビニの半数に迫る

北陸3県のドラッグストアが600店超え / コンビニの半数に迫る

2021年10月25日

経済産業省がまとめた商業動態統計によると、北陸三県にあるドラッグストアの店舗数は600店を超え、コンビニエンスストアの半数に迫る勢いになっている。

ドラッグストアの数が最初に600店を上回ったのは2021年5月で、4月から13店増えて602店となった。

その後、6月が604店、7月が605店、8月が609店と、じりじりと増えている。

この店舗数、2020年末では561店、19年末では499店、18年末では461店だった。つまり、最新の数字は2年半前と比べて32%(148店)多い水準となっている。

面白いのは、この2年半、小売り6業態(ドラッグ、百貨店、スーパー、家電大型量販店、ホームセンター、コンビニエンスストア)のうち、店舗数が大きく増えているのはドラッグのみ。スーパーは13%(17店)増えているが、他の4業種は店舗数が減っている。

例えばコンビニは2年半で2・6%(36店)減の1316店となっている。売上高も伸びておらず、北陸では少なくとも市場が頭打ちの感が出ている。

そして、ドラッグストアの数は現在、コンビニの半数近くに迫っている。コンビニの半数、というのは、よくよく考えると、かなり多いと思わないだろうか。

 

コンビニと同じ末路に??

もっとも、この勢いがどこまで続くかは分からない。セブンイレブンが北陸に乗り込んできたとき、既存のコンビニを潰そうとするかのように、近接地に出店している光景を見掛けたことはあるだろう。

潰し合いをしている間は店舗数が増えたが、数年たち、それぞれの地域で決着がついてからは、店舗数が減少局面に入った。

今、まちなかを歩いてみると、ドラッグ業界が、セブン進出当時のコンビニと似た状況にあるように見える。「ドラッグの斜め向かいに別のドラッグ」という風景は、至るところにある。

ドラッグストアは今や医薬品の売り上げ比率は小さく、生活雑貨や食品の比率が高い。品ぞろえも価格も、いわばホームセンターやスーパーの中間としての役割を果たしている。

そういう意味で、24時間営業で、何でもそろうが、値段は安くない、という独自の立ち位置で市場を拡大したコンビニと、事情は異なる。これからコンビニと同じ末路をたどるのか、まったく異なる結末になるのか、注目したい。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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