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コマツ、今期予想おおむね横ばい
コマツ(小松製作所)の2023年3月期の連結決算は、売上高、各利益とも過去最高となった。配当は期末が75円の年139円で、年配当は前期比43円増の大増配とする。
売上高 | 営業利益 | 純利益 | |
---|---|---|---|
23年3月期実績 | 35,434(26.4) | 4,906(54.8) | 3,263(45.1) |
24年3月期予想 | 33,820(▲4.6) | 4,910(0.1) | 2,990(▲8.4) |
2024年3月期の業績予想は、おおむね過去最高業績の前期並み。鉱山機械の需要は好調だが、一般機械は需要が減速すると見込む。年配当は139円の据え置きを予定する。
為替は円高に進むとみており、そのために減収を予想しているという。想定為替レートは1ドル=125円。円安に振れれば過去最高業績の更新も有り得るか。
アルビスは費用かさんで利益率が悪化
周知の通りスーパーはメーカーの値上げ影響を食らっている上、光熱費や人件費が上がっていて苦しい。アルビスの2023年3月期の連結決算は、営業収益(≒売上高)が過去最高だったものの減益だった。
24年3月期はさらに営業収益を上積みして過去最高を更新する見込みである一方、やはり減益が続く。営業、純利益の予想値は過去の最高実績に比べて半分近い水準となる。
営業収益 | 営業利益 | 純利益 | |
---|---|---|---|
23年3月期実績 | 945(2.7) | 19(▲20.9) | 16(▲20.0) |
24年3月期予想 | 974(3.0) | 15(▲19.8) | 12(▲25.3) |
大同工業は特損計上で下方修正
大同工業は決算を公表したわけではなく、2023年3月期の連結業績予想を大幅に下方修正した。特に、これまで20億円の黒字を予想していた純損益は、一転して3億円の赤字に陥る見込みとなった。
売上高 | 営業利益 | 純損益 | |
---|---|---|---|
従来公表予想 | 550 | 31 | 20 |
今回修正予想 | 550 | 16 | ▲3 |
発表によると、営業、経常利益は原材料価格やエネルギー価格の高騰の影響を受けた。その上で、純損益は大同工業とインド子会社の固定資産の減損損失7億円超を計上するため、赤字化するらしい。
あわせて23年3月期の配当予想を、年30円から年15円に引き下げた(前期実績は年35円)。
それにしても、他社が決算を発表し始めているタイミングでの修正にしては、あまりに大幅ではなかろうか…。
福井銀行は連結経常利益が75%下振れ
福井銀行も2023年3月期の業績予想を修正した。
福井銀行単体の利益予想は上方修正したものの、子会社の福邦銀行で有価証券売却損など23億円の経常損失が加わることから、連結経常利益は従来予想から75%の下振れとなる7億円に見直した。
ちなみに、富山銀行は単体、連結とも利益予想を上方修正した。
北國フィナンシャルは最大10%の自己株式取得
北國フィナンシャルホールディングスは2023年4月28日午後1時、最大で発行済み株式総数の10.04%分に当たる自社株買いを行うと発表した。期間は2023年5月10日~2024年3月29日で、maxで90億円をかけて250万株を取得するという。
しかも、2023年5月9日には発行済み株式総数の6.31%に当たる170万株を消却する。
発表でユニゾの流れが変わって株価急騰
北國フィナンシャルホールディングスは前日の23年4月27日、ユニゾホールディングスの民事再生に伴い、45億円超の貸出債権に回収不能の恐れが生じ、決算発表を延期すると発表したばかり。
東京商工リサーチのまとめを見ると、ユニゾホールディングスに対する金融関係の債権者は45社で、北國フィナンシャルホールディングスは4番手に当たる。筆者の見たところ、他に北陸の金融機関が債権を抱えてはいないようだ。
ともすれば28日は株価が大きく下がる可能性もあっただろうが、この自社株買いの発表で流れは完全に変わった。結局、北國フィナンシャルホールディングスの株価は前日終値と比べて280円(6.29%)高い4,735円で大引けを迎え、GW期間に入った。