石川県自動車販売店協会がまとめた2021年の新車販売速報によると、年間の新車販売台数は20年比0.8%減の4万8958台だった。
登録車(普通車)は0.3%増の3万1016台、軽自動車は2.7%減の1万7942台。
では、20年はどんな水準だったのか。コロナ禍1年目の20年はディーラーの営業制限(自粛)、外出控えなどにより、19年比14.6%減の4万9369台だった。
自動車の販売は税制改正のタイミングの影響を受けやすく、年によって販売台数にバラつきがある。過去50年という長期で見た場合、1990年代をピークに2010年ごろまで減少トレンドにある。そこからは横ばい基調だ。
人口が減っているし、高齢化が進む中で高齢者の免許返納に向けた機運が高まっている。若者は「クルマ離れ」が進んでいるといわれる。この状況下で市場が縮小するのも、やむを得ない。
さらに、既存の自動車ディーラーにとっては、将来的にEV化が進んだ際、どのメーカーが覇権を握るかが不透明だ。自社の系列がEV化競争に敗れれば、先行きは厳しい。
これは部品メーカーも同じだ。アップルやソニーがいよいよEVに本格参入したら、それらの企業は既存自動車メーカーとは異なる部品調達網を確立するだろう。そうなれば、部品メーカーは既存自動車メーカーに販路を持っていても、新規参入組に食い込めなければ自社の存亡にかかわる。
いずれにせよ、この先、自動車業界を巡る環境が激動の時代を迎えるのは間違いない。