【追記箇所あり】富山銀行、融資3億円超に回収不能の恐れ/富山市のカネコ破産で

【追記箇所あり】富山銀行、融資3億円超に回収不能の恐れ/富山市のカネコ破産で

2022年2月25日

高岡市に本店を置く富山銀行は2022年2月25日、取引先で総合工事業のカネコ(富山市)が同日に破産手続きの開始決定を受けた影響により、同社への貸出金3億5,800万円が回収不能になる恐れがあると発表した。

※同行の発表文では取り立てが「不能または遅延」と表現している。

2021年3月期末の同行の連結純資産は335億9,200万円で、3億5,800万円は1%相当になる。担保などによる回収見込み額を除いた金額は引き当て済みのため、2022年3月期の業績予想に変更はないらしい。

カネコのホームページ

とは言え、業績にダメージがないわけではないだろう。期中の企業倒産(貸し倒れ)に備えて積み上げた金は、使う場面がなければ後に増益方向に寄与するが、今回はそのまま使う羽目になる可能性があるからだ。

同行は2021年11月、22年3月期の連結純利益予想を従来の7億5,000万円から8億5,000万円に上方修正した。カネコの破産が織り込み済みの数字だとすると、これをもって業績予想が下振れすることはないとしても、上振れする余地が小さくなったのは確かだ。

それにしても、今回は富山銀行の発表だが、破産した会社は富山市。同市に本店を置く北陸銀行や富山第一銀行、富山で増勢に励む金沢市の北國銀行などは取引がなかったのだろうか?

追記※22年2月26日付北日本新聞によると、カネコの負債額は8億円とのこと。

住宅メーカー「カネコホーム」は関連会社?

ところで、カネコのホームページを見ると、カネコと同じ所在地の会社として「カネコホーム」という住宅会社がある。代表者も同じ名前なので、関連会社だろう。建設工業新聞の着工棟数のまとめを見たが、富山県内トップ30には入っておらず、施工数は分からなかった。

もっとも、カネコホームは設立30年以上の歴史を持つので、県内シェアが大きくなかったとしても、それなりの数のオーナーがおり、今は心細く感じているだろうと思う。

一消費者としてはなかなか難しいことだが、住宅計画を立てる時は建物そのものや予算はもちろん、それをつくる住宅会社が永続的にビジネスを続けられるような会社か、なるべく見極めたい。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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