観光庁の宿泊旅行統計調査(速報値)によると、2021年1年間の都道府県別延べ宿泊者数は、富山県が20年比11.4%増となり、全国で最も回復率が高かった。
都道府県名 | 宿泊者数 | 20年比の増減率 | |
1 | 富山県 | 2,482,510 | 11.4% |
2 | 島根県 | 2,710,810 | 10.6% |
3 | 和歌山県 | 3,669,080 | 8.1% |
4 | 青森県 | 3,559,350 | 7.4% |
5 | 山梨県 | 4,680,490 | 7.3% |
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全国 | 314,968,640 | ▲5.0% | |
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33 | 福井県 | 2,355,980 | ▲8.1% |
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43 | 石川県 | 4,422,710 | ▲15.0% |
44 | 岐阜県 | 3,821,690 | ▲15.1% |
45 | 京都府 | 11,769,700 | ▲15.3% |
46 | 佐賀県 | 1,541,430 | ▲15.5% |
47 | 沖縄県 | 10,864,500 | ▲21.2% |
20年比の延べ宿泊者数は富山県を含む全国12県が増加し、埼玉県のみが横ばい、34県が減少した。
そもそも「延べ宿泊者数」とは
ここで「延べ宿泊者数」を聞き慣れない方のために、意味を説明する。
観光庁の定義では「各日の全宿泊者数を足し合わせた数をいう。宿泊した子供や乳幼児も1 人としている」ということらしい。
…相変わらず難しい言い回しだ。簡単に言うと、Aさん家族4人が3連泊したら、実際に泊まった人数は4人なのだが、延べ宿泊者数は4×3=12人と数えるということ。
実人数が4人でも、宿泊料金は3泊分払われているのだから「延べ」で数えるのが業界の状況を表していると言える。
回復上位県に2タイプ?
その延べ宿泊者数、20年からの回復度で上位の県には、およそ2タイプあるようだ。
まずは名実ともに回復が顕著な県。2位の島根県は21年の客室稼働率(ホテルや旅館、簡易宿所などの合計)が49.9%(全国1位)、4位の青森県の客室稼働率は45.3%(同3位)で、いずれも全国有数の客室稼働率になっている。
この両県は新型コロナウイルス感染拡大前の19年比の増減率で見ても上位に入っており、青森県が2位(19年比22.7%減)、島根県が4位(同25.6%減)となっている。
残る3県の客室稼働率は高くない。回復1位の富山県の客室稼働率は34.9%(同32位)、3位の和歌山県は36.1%(同26位)、5位の山梨県は26.4%(同45位)。
山梨県は20年の延べ宿泊者数が19年から半減し、全国平均より大きく落ち込んだ反動増が出たとみられる。富山県が回復上位の理由は定かではないが、経済社会活動の再開に伴って工業県ゆえ出張需要が高まったのではないかと推察している。
石川県はもともと3県の中では観光客が多かったためか、21年の延べ宿泊者数が20年比でワースト5位、19年比でワースト7位と落ち込みが続いている。福井は20年比がワースト14位、19年比がワースト17位となっている。