帝国データバンクによると、鶏卵大手のイセ食品(東京)とイセ(高岡市)の2社は2022年3月25日、東京地裁から会社更生手続きの開始決定を受けた。両者の負債総額は計約453億円で、そのうち金融債務は260億円となる。
帝国データバンクのレポートによると、両社はM&Aなどで業容を拡大する中で金融機関からの借り入れが増加していたほか、コロナ禍で卵の価格が下落し、資金繰りが悪化した。
そのため金融機関に返済の猶予をお願いし、所有不動産を売却して債務の圧縮を進めた。後継者の選定が課題となる中、代表者が交代した後も実質的経営権の所在について債権者との合意ができていなかった。
直近では国際的に飼料価格が高騰。コスト増から収支状況、資金繰りが一段と悪化し、一部株主と金融債権者から会社更生手続きの申し立てを受けるに至っていた。
両社は今後も事業を継続する。商取引債務は条件付きで全額を弁済する。管財人と金融機関は金銭消費貸借契約を結んでいるため、資金繰りには問題がないらしい。
伊勢農場の負債は30億円
上記2社の後を追うように、グループの伊勢農場(三重県伊賀市)も25日、東京地裁へ会社更生法を申し立てられた。同社は「森のたまご」「伊勢の卵」を生産、出荷しており、伊賀市などに14棟の大規模養鶏場を構えている。
直近は3期連続で欠損を計上し、債務超過となっていた。負債は30億円(うち金融債務は3億円)となる。
※まとめページは以下のリンクから