鶏卵大手のイセ食品(東京)とイセ(高岡市)は2022年3月11日、債権者から東京地裁に会社更生手続き開始を申し立てられ、保全管理命令を受けた。信用調査会社の帝国データバンクによると、負債総額は2社の合計で453億円となる。
帝国データバンクによると、近年はM&Aなどで業容を拡大する中、金融機関からの借り入れが増えていた。負債総額453億円のうち、半分以上に当たる260億円は金融債務という。
2020年初頭からの新型コロナウイルスの感染拡大で卵の価格が下落し、資金繰りが悪化した。20年4月には金融機関に借入金の返済猶予を要請。21年に入って不動産の売却を進めるとともに代表者が交代した。
しかし、経営権の所在について債権者側と合意できず、ここに来て飼料価格も高騰して資金繰りがさらに悪化した。そのため、一部の株主や金融債権者から申し立てを受けるに至った。
ここで「会社更生」とは、会社を清算する破産とは異なり、会社が事業を継続したまま裁判所や破産管財人の監督を受け、再建を目指す手続き。今後、スケジュールが決まり、スポンサーを選定して手続きを進めることになる。ちなみに、これから必要な資金の融資に関しては、金融機関との間で契約を結んでいるという。
年間売り上げは470億円/1,300万羽を飼育
帝国データバンクによると、イセ食品は1971年6月設立。2018年1月期の売上高は470億6,000万円だった。グループで養鶏場を運営し、育種から飼育、採卵、下降、配送までの事業を行っていた。グループ全体で1,300万羽を飼育している。国内全体の飼育数の1割に当たるらしい。
イセは1962年8月の設立で、飼料などの仕入れ業務を行っていた。
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