無心で思考を吐き出し、瞬時に考えを整理する習慣を/「ゼロ秒思考」赤羽雄二

無心で思考を吐き出し、瞬時に考えを整理する習慣を/「ゼロ秒思考」赤羽雄二

考えても考えても、頭が整理されない。むしろ、考えて考えて、それでも考えて「あれ?結局、何に行き詰っているんだっけ?」と迷子になっている方に提案する1冊。

とは言え、筆者のオススメ度は★★★☆☆(星3つ)。本文の端々に参考になる記述や表現はあるのだが、全編にわたり、同じ主張を繰り返す重複箇所(後述します)が多いと感じた。214ページの本書だが、もう少し簡潔にして価格を下げてほしかったのが正直なところ。

それでは、本書の内容を要約する。

【要約】「情報がほしい」を我慢、大胆に仮説を出す

冒頭の記述の通り、思考は時間をかければ深まるわけではない。それなら生産性を意識して思考に取り組む必要がある。本書では「メーカーでは製造原価を1円単位で管理するのに、なぜ、どれだけ速く考えるかを問わないのか」と問題提起する。おっしゃる通りだ。

当然ながら「速く考える=雑に考える」ではいけない。本書で示す方法によると、日常的に短時間で自らの考えを整理する作業・トレーニングを通じ、常に「臨戦態勢」の状況に自分を置く。普段から問題について考え、情報を集めた結果、いざという時に即断即決できる、という理屈だ。

ここでは調べてばかりでもダメ、「もっと情報がほしい」と思う気持ちを堪え、大胆に仮説を出す癖をつけるのが大切だ。

さて、そうして短時間で思考(究極的には「ゼロ秒」)するための手法とは。本書が提案する具体策は、ただ1つ。

① A4用紙(裏紙で十分)を横長の向きで置く。

② 左上にタイトル(テーマ)を書く。(例 上司と仲良くする方法について)

③ タイトルに関して思いついたことを4~6個ほど書く。(例 ・なぜ上司はすぐに怒るのか ・仕事に関する考え方が根本的に違うのか)

④ ③で記述した内容のうち、さらに考えたいことがあれば、次の紙にタイトルとして書く。③のうち、さらに考えたいことがなければ、次の紙に新しいタイトルを書く。

この一連の作業を、本書は「メモを書く」と呼ぶ。

ポイントは「深く考えすぎず、自然体で、感じるまま、思い浮かぶままに書くこと」。1件につき1ページ、1ページにつき1分以内で書き、毎日10ページを書くのが良いらしい。ある程度マジメなテーマについて大人がやる高速連想ゲームといったところか。

(本書では、上の太字の記述が何度も何度も出てくる。大事な主張だというのは分かるが、筆者は何度も言われるうちに押し付けがましさを感じてしまった。)

いつでもどこでも実践できる

ところで、この方法の優れたところは、いつでもどこでも実践できる点にある。紙10枚ぐらい持ち運ぶのは大した労力じゃないし、1ページを1分で書ければ10枚10分で終わる。ちょっとした移動時間や待ち時間に実行できる。

自分の頭の中にある懸念やモヤモヤを言葉にしてとにかく吐き出し、暗黙知を形式知にする。筆者の理解としては、書いたものを眺めることで、さらに考えが整理される。

だから、企画書の骨子などという一連のストーリーが必要な案件では、タイトル→アイデア→その狙い→メインの客層…といった具合に論理を展開できるようになる。メモを書くことは、こうした応用も可能な利点があるという。

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