「study with me」って動画ジャンル、知ってる?/23年の中小企業診断士の試験を受けることにした

「study with me」って動画ジャンル、知ってる?/23年の中小企業診断士の試験を受けることにした

2022年7月3日

2023年の中小企業診断士試験を受けることに決めた。

将来的に、自社サイトに記事を書き、PRコンサルティングをしながら、経営コンサルまでワンストップでできたら良いなあ、と思い描いているためだ。

実は数年前に少し勉強したのだが、すぐに「仕事が忙しい」と中断していた。今回は「愛用のシャープペンをガシガシ使い、経年変化を楽しみたい」という欲求を満たす狙いもある。こういう変態的な願望が、長期戦に臨む上で実は強い動機付けであり続けてくれるかも知れない。

地方新聞社の記者は、記事を届ける相手である市民に目線を合わせるため、あえて「自分は素人」と語りたがるところがある。「在野」「無冠」を気取る感じだ。

しかし、新聞社を出て直面したのは「素人に価値はない」という現実。プロだから依頼があり、プロだから対価を受け取れる。「駆け出し」「初めて」は言い訳にならない。もちろん、新聞記者も「取材し、記事を書くプロ」のはずだが、たまに「自分は素人」が逃げ口上に使われるフシもあると感じていた。

診断士は独占業務がない。経営コンサルタントと名乗るために資格は要らないし、時に資格が邪魔になることもあると聞く。ただ、どうしても新聞社出身者は「銭勘定ができず、何も知らない『ブンヤ』のくせに」と見られがちなので「プロである」と言うため、印籠代わりに資格があっても損はしないだろう。

そう思い、2022年7月3日、勉強を始めた。

若者の頭頂部を見続ける10時間

5時間ほど寝て、食事や子どもと遊ぶのに計5時間を使っても、土日なら1日10時間ぐらい勉強しても余裕がある。そこで長時間の勉強に備えてYouTubeでBGMを検索し、今さら初めて知ったジャンルがある。

それが「study with me」だ。

配信者は10~20代が多い印象。最初の数分間で何かしらの挨拶を済ませると、配信者はそのまま勉強し始める。集中しやすい周波数の音楽が流れ、ただただ若者が勉強する映像が流れる。カメラ位置によるが、基本的には若者の頭頂部が何時間も映っているだけだ。

1時間、2時間など所定の終了時間になると、配信者が「お疲れさま」の挨拶をして終了。それだけ。

当初、こうした動画の良さが全く理解できなかった。が、試しに動画とタイミングを合わせて勉強してみて分かった。

ちょうど良い距離感がある。

独りで勉強していて集中力が途切れ、つい脇道に逸れてしまい、そのまま本線に戻らず1日が終わったことはないだろうか?

学生時代、友人と勉強しにカフェへ入ったのに、結局は雑談からカラオケの流れになってしまった経験はないだろうか?

この点、この「study with me」動画を見る筆者(37歳)の感覚は次の通り。

「面識はないけど、コイツは一生懸命に勉強している。それこそカメラに頭頂部しか映らないぐらい手元に集中していて、話し掛けてこない。こちらも話し掛けられない。画面なんて消せば終わりで、何の強制力もないが、頑張る人を目の前にして、サボるのも中断するのも負けた気がする。よし、コイツと付き合って3時間、勉強するか」

仕事以外で1日10時間も机に向かうのは、高校生以来20年近くぶり。社会人になって真剣に勉強すると、楽しい。この年齢になれば、自分が属する狭い世界のことはだいたい把握できるし、多くを望まないなら惰性でも何とか生きていける。だからこそ、次から次に知らない知識が押し寄せてくる勉強の世界は新鮮だ。

今後、勉強なんて全くできないほど多くの仕事が入れば、それはそれで有り難い。でも、せっかく自分の時間を自由にアレンジできる立場になったので、2023年の中小企業診断士試験に向け、できる限り勉強を続けてみたいと思う。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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