2022年12月29日の株式市場で、クスリのアオキホールディングス(HD、白山市)の終値は前日比12.07%(1,020円)安の7,430円となり、東京証券取引所のプライム市場で下落率トップとなった。
クスリのアオキHDは28日の大引け後に中間決算を発表していた(詳しくは下のリンクを参照)。
上のリンク先の記事に書いた通り、個人投資家の1人として決算内容を見れば、コロナ禍での特需と反動減に続く「その反動増」の期待感に応えるものではなかった。主に店舗数が増えたから必然的に売り上げが増え、補助金のおかげで経常、純利益が大きく見えた、という感じ。
しかも、通期予想の上方修正もなく、材料出尽くし感もあった。
この中間決算、地元で読める新聞は、なぜか好意的に書いていた。ただ、世の中の評価は株の値動きが示す通り。決算資料を見れば実際のところが分かるはずだが、あまり読まないのだろうか…。
上のリンク先の記事では、食品の構成比が増えていることを指摘した。筆者としては、これは必ずしもプラスと思えない。食品への依存度が高まれば、1円ずつの利益を積み重ねる「薄利多売」に長けたスーパーとの対立度合いが深まり、中長期的には販売価格の下押し圧力が強まるだろうからだ。
それでも、店舗数はドラッグストアの方が圧倒的に多いし、クスリのアオキHDも最近、PB(プライベートブランド)商品に参入した。スーパーと正面からぶつかるのではなく、異なる戦い方ができるなら面白いだろう。
ADR成立の日医工は3%安
12月28日の大引け後にADR手続きが成立し、春に上場廃止することが決まった日医工(富山市)は、3.54%(4円)安の109円で引けた。
そもそも上場廃止と株式併合に当たり、1株はいずれ36円で買い取られることになったはず。だったら株価もすぐさま36円に収束しそうだが、さまざまな思惑が絡んだ株価になるところが、株式市場の面白さだと思う。
ダイワ通信は4%高
姉妹サイト「投資のはじめ方」で、上場当日から公開価格を割り、その後も下げ続けていると紹介したダイワ通信(金沢市)は12月29日、初めて反発して取引を終えた。
終値は4.89%(65円)高い1,395円だった。