クスリのアオキホールディングス(白山市)は2024年7月18日、大株主である香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」がクスリのアオキHD株主総会に向けて示していた株主提案に反対する取締役会の意見を表明した。
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クスリのアオキHDが開示した資料によると、オアシス側は株主総会に1議案を提案し、青木宏憲、青木孝憲、八幡亮一の3取締役の解任を求めた。
オアシス側はかねてより、8月21日から行使可能となる新株予約権について問題視している。
その主張によれば、クスリのアオキHDは本来なら必要でない業績予想の下方修正を出して株価を急落させたが、実際の業績は下方修正値を30%も上回って着地した。その急落局面で株主総会を経ずに新株予約権が発行された結果、発行価額や行使価額が不当に抑えられ、株式の希薄化で一般株主の利益が損なわれたという。
その上で「(クスリのアオキHDの)ガバナンスに重大な問題があることを如実に示しており、昨年度の株主総会においても(中略)一般株主の過半数が青木宏憲氏の再選に反対している。」と指摘した。
これに対し、クスリのアオキHD側はオアシスの株主提案が新株予約券発行の有効性に疑義があると印象付け、株主に不信感を持たせるとして「極めて不自然な行為である」とした上で反論する。
まず、オアシス側が不必要な下方修正だと指摘している件については、確かに東証の規則で求められていないレベルの乖離だが、だからといって修正すること自体に問題はないし、下方修正が必要な局面だったと説明した。
そして、最終的な業績が一転して下方修正値を大きく超過したのは、コロナ禍でマスクや消毒液など衛生用品の需要が急伸した一方、感染の拡大に伴う販促費の縮減など、下方修正時点で予期できなかった要因によると紹介。決して新株予約権の発行価額を下げる目的はなく、3取締役を解任する理由に乏しいと主張した。
そして、そもそも役員は改選期なんだから、会社提案の議案の中で3取締役の再任に反対すれば事足りるわけで「別途解任する実質的な意義は認められません。」と締めくくった。