ジェネリック医薬品(後発薬)大手の日医工(富山市)の株価下落が止まらない。2021年11月18日は一時697円まで下がり、上場来安値を更新した。
度重なる自主回収と行政処分を経て、11日、黒字を見込んでいた2022年3月期(今期)の業績予想を大幅な赤字になると下方修正し、配当予想を無配に引き下げたことが嫌気された。
報道によると、日医工の今期の赤字額は創業以来、最も大きくなる。そして行政処分の対象となった滑川市の富山第一工場では、いまだ生産を再開できていない品目が多く、再開計画が遅延している。
こうした状況下で、売り上げが立たない一方で費用が先行している状況が続いている。行政処分は3月だから、もう半年たった。これまでの値動きは「そろそろ底打ちだろう」「悪材料は出尽くしただろう」とみているような買いが入っていたが、11日の発表で底が抜けた。
上の画像の通り、5年前と比べると半値になっている。そして無配。日医工を信じて握り続けた投資家には気の毒な展開である。
不買?切り替え?業績の回復は遠く…
ちなみに、足元では一連の問題発覚を受け、日医工の製品から他社のジェネリック製品、あるいはジェネリックから先発薬への移行が進んでいるという。
仮に、いつか富山第一工場がフル稼働するような段階にまで至ったとしても、業績が元通りになるには、もっと多くの時間がかかるのではないか。上場来安値を更新し続ける現在の株価水準は、そうした見立てを含んでいるように思われる。
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