日本製麻(本店・砺波市)は2023年11月30日、ゴーゴーカレーグループ(金沢市)による日本製麻株の売買にインサイダー取引の疑いがあるとして設けた特別調査委員会がまとめた報告書について、ゴーゴーカレーが「報告書は不当」と訴えた声明に反論した。
また「北日本新聞電子版をはじめとする一部報道」の内容が一方的であるとして「極めて遺憾」と意見した。
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簡単におさらい
ゴーゴーカレーは日本製麻の大株主であり、ゴーゴーカレー創業者の宮森宏和氏は2023年の春から夏にかけて日本製麻の社長を務めた。その間もゴーゴーカレーは日本製麻株を買い増していた。
その後、日本製麻は宮森氏を社長から解職し、ゴーゴーカレーによる株取引は未公開情報を基にした疑いがあるとして特別調査委員会を設置。2023年11月22日、特別調査委員会から「インサイダーの可能性がある」とする報告書を受け取ったと発表した。
一方、ゴーゴーカレーは同日、特別調査委員会の独立性や中立性に疑問を呈したほか、要請しても宮森氏を解職した取締役会の録画データを調べず、提供もされないのは不都合があるからだろう、として第三者委員会の設置と再調査を求める声明を発表した。
日本製麻の反論
これに対し、日本製麻は11月28日の取締役会で、宮森氏に取締役からの辞任を勧告するなどの処分を決めた。そして、11月30日に、ゴーゴーカレーによる声明に反論した。その概要をまとめると、以下の通りとなる。
◆特別調査委員会の独立性・中立性
声明では社外役員がメンバーであることから独立性・中立性が欠如していると主張するが、一般的によくあるケース。日本弁護士連合会のガイドライン、日本取引所自主規制法人の回答などに照らしても基本的に許容される。
また、宮森宏和氏の社長解職は争いようのない事実で、そもそもインサイダー取引に当たるかどうかという問題とは関係ない。だから問題はない。
◆調査手法の合理性
調査報告書はゴーゴーカレー側の要請を受けて録画データの調査に及んでいる。そもそも録画データの開示義務はないし、資料を調査対象者に開示するはずがない。そして、録画データを開示しようがしまいが、調査手法の合理性には関係ない。
報道に対する意見
今回、日本製麻が問題視した報道は、北日本新聞電子版に載った「ゴーゴーカレー、インサイダー調査『不当』 独立・中立性欠くと批判」など。
日本製麻によると、これら報道は事実誤認したゴーゴーカレーの声明に基づき、日本製麻に一切の取材がなかった。「一方的かつ偏重した報道」であって「そのような報道が横行していることに対し、当社としては、極めて遺憾であると考えております」と非難した。