三谷商事(福井市)は2021年12月23日に株式市場が開く前の8時45分に、東証の自己株式立会外買付取引を利用し、最大125万株を取得する。
買値は22日終値の1998円なので、総額はMAXで24億8500万円になる。全てを買うと、発行済み株式総数の1.34%(自己株除く)に当たるらしいので、それなりに株価の押し上げ効果があるかもしれない。
面白いのは取得の理由。一般的には「株主還元うんぬん、機動的な資本政策うんぬん」と分かるような分からないようなことを書いてお茶を濁すが、今回の理由は以下の通り。
既存株主より資金需要による保有株式の売却意向を受けていることから、2021年12月14日に決議した自己株式取得枠とは別に(中略)取得枠を新たに設定することといたします。
(出典・三谷商事プレスリリース)
「資金需要による売却」というのは珍しいかもしれない。
同社の21年3月期の有価証券報告書を見ると、公表されている大株主順位10位の米国ファンドの持ち株比率が2.73%。今回の売却先がどこで、どの程度保有しているうちの125万株を手放すのか、公表資料からは分からないが、なんせ株の売却で20億円を得るというのだから、興味をそそられるところではある。
ただ、同社の大株主順位を見ると、上位10者のうち8者は「三谷」が付く個人か企業、団体である。今回の件への野次馬的な関心はともかく、同社の経営体制が大きく変わるほどのインパクトは当然なさそうだ。