【新NISA】北陸の上場71社、どれが割安株?/PER・PBRランキング/時価総額順位もまとめ(2024年1月8日現在)

【新NISA】北陸の上場71社、どれが割安株?/PER・PBRランキング/時価総額順位もまとめ(2024年1月8日現在)

2024年に入り、過去に北陸の上場企業の株価水準について書いた記事がやたら閲覧されている。思い当たる原因は新NISAの開始だ。新たに株式投資を始める方もいるかも知れないので、最新版(2024年1月8日現在)のランキングをアップデートする。

2024年に入ってからの当サイト内の閲覧数ランキング

対象は北陸3県に本社や本店を置く企業で、筆者の把握する限り71社あった。数値はYahoo!financeのデータを活用。直近(原則として1月5日の終値)の株価がベースになっている。

ランキングした指標はPER、PBR(意味は後述します)で、参考情報として時価総額ランキングも付けてみた。それでは、まずPERから。

PER15倍割れは40社

PERは「株価が1株当たりの純利益(EPS)の何倍になっているか」を示す。基本的にはPERの数字が大きいと利益額に対して株価が「割高」、小さいと「割安」と判断でき、15倍が標準と言われている。

今回は予想純利益に対する直近の株価でPERを計算した。数字が小さい順に並べてみる。

仮にPERが割高に見えても、企業が成長して利益が増えれば、その株価は追って正当化されるので、PERが高めだからといって割高だと言い切れない面もある。

パッと見た感じでは、田中精密工業、北陸電気工業、三光合成、大同工業など、自動車に関連した会社が多く目につく。自動車はコロナ禍での生産調整から挽回生産のフェーズに入っており、今期は利益が多く見込まれるため、現状のPERが低めに出ているのだろうか。

全国的な(全世界的な?)傾向ではあるが、銀行や電力など伝統的な商売はPERが低めに出ている。そういった業種は急に利益が爆増したりしにくいので、株価は低めになりやすいからだ。

PER15倍を超える企業の一覧は、以下の通り。

PERが出ていない4社は予想が赤字か非開示

PERの見方で難しいのは、上述したように「成長性を見込まれるからPERが高い」タイプと「業績が悪いのでPERが高い」タイプがある。たとえば前者にはサンウェルズやクスリのアオキホールディングス、シキノハイテックが分類されそう。

アステナホールディングスは今期の純利益が前期比98%減になる見込みなので、PERが2,000倍近い値になっている。

PBR1倍割れは43社

東証が「上場企業はPBR1倍割れの状況を改善せよ」と言っている。

PBRとは「株価純資産倍率」と呼ばれ、株価を1株当たりの純資産で割ったもの。「1倍割れ」を簡略化して言うと、株式市場において実際の資産額ほど評価されていないということで、つまり基本的には1倍を割っていれば「割安」と判断できる。では、PBRが小さい順に並べてみる。

1倍割れは71社のうち43社。今回はPERとの相関関係まで調べていないが、ざっと見た感じでは似たような顔ぶれになっていると思う。

時価総額1,000億円超えは11社

最後に時価総額のランキングを紹介する。

時価総額を簡単に説明すると、発行している株数に株価を掛けて会社の価値を数値化したもの。1万株を発行している会社の株価が100円なら、時価総額は100万円。これは大きければ大きいほど、株式市場では大きな価値があると評価されているということになる。

1,000億円を超える会社は下の通り11社あった。

PER、PBRのランキングではあまり上位に入らなかった銀行や電力会社が入ってくる。

次に100億円以上の会社。

最後に、100億円未満の26社。

今さらだけど、会社が大きいから良いわけではない。むしろ株式投資の上では規模の絶対値よりも「前年よりも成長しているのか」の方が大切だ。時価総額が小さいからダメ、というわけではない。

業種にもよるが、小さくて若い会社の方が「伸びしろ」は大きいとみられる。そういう意味では、PER、PBRという割安性を判断する基準だけでなく、時価総額で現在の規模感を知ることも大切だと思う。今回のランキングが何かの一助になれば幸いだ。

時価総額の小さな会社の株価は極端な動きをすることがあり、大儲けすることもあれば大損することもありますので、取引の際はご注意ください。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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