スイスに本拠地を置く金融機関「UBSグループ」の企業が、津田駒工業(金沢市)とサンウェルズ(金沢市)の株式を大量取得した。
津田駒工業の「筆頭」株主に?
UBSグループの「ユービーエス・エイ・ジー」が関東財務局長に提出した大量保有報告書によると、同社は2024年末までに、津田駒工業の株式を357,398株取得した。これは保有比率にして5.25%に当たり、はじめて5%を超えた。
会社四季報をみると、津田駒工業の大株主はトップ3が取引先持ち株会(18.4%)、信託口(8.8%)、自社株(6.1%)。次いで、4位の明治安田生命保険が4.1%、5位の北陸銀行が3.7%となっている。
よって、ユービーエス・エイ・ジーは今回の大量取得によって実質的な筆頭株主になったと言えるかもしれない。ユービーエス・エイ・ジーは取得の理由について「当行における中長期的なディーリング目的による保有。」としている。
サンウェルズ株の保有7%超に
また、ユービーエス・エイ・ジーはサンウェルズ株の保有比率を高めた。直前の報告書で5.61%だった保有比率は7.48%に高まった(2024年末時点)。
上記の津田駒工業にならって四季報をみると、大株主の上位から創業家や信託口、自社保有分を除外したら、7%超を保有するユービーエス・エイ・ジーは最も上位の株主になった可能性がある。
サンウェルズは不正疑惑に関連した調査を進めている影響により、2024年9月中間決算の発表を延期している。一般的には投資に慎重にならざるを得ない状況の中、ユービーエス・エイ・ジーは今回の取得理由を「当行における中長期的なディーリング目的による保有。」としている。