大阪税関の公表資料によると、2021年(1~12月)の北陸3県の貿易額(確速値)は、輸出、輸入とも前年を上回った。前年比でプラスになるのは、いずれも18年以来3年ぶりとなる。
輸出額は20年比26.7%増の4,645億円、輸入額は石炭価格の高騰などの影響を受けて41.8%増の5,293億円だった。差額は648億円で、大幅な貿易赤字となった。
輸出額 | 輸入額 | 差額(輸出ー輸入) | |
21年 | 4,645 | 5,293 | ▲648 |
20年 | 3,664 | 3,732 | ▲68 |
例えば、12月単月では石炭の輸入額が前年同月比2.7倍の141億円、金属鉱・くずの輸入額が3.5倍の44億円に高まって全体を押し上げている。
1月31日に北陸電力が公表した今期決算にみられるように、火力発電の燃料となる石炭価格の高騰は、企業業績を大きく下押しし、黒字見込みを一転して赤字予想に転換させるインパクトがある。
輸入額の増加は歓迎すべき???
もっとも、電力会社は燃料価格の高騰をある程度は電気の販売価格に転嫁できるはずなので、まだマシ。世の中には価格転嫁できない(しにくい)業種も多い。
21年の輸出額が増えたのは経済が回復してきた証と理解できる。一方、それを上回るペースの輸入額の上昇は、コロナ禍からの回復ぶりを鈍化させる不気味な足音のような気がしてならない。