2021年度の北陸発着の羽田線利用、20年度比5割増もコロナ前からは65%減

2021年度の北陸発着の羽田線利用、20年度比5割増もコロナ前からは65%減

2022年5月31日

全日本空輸、日本航空のまとめによると、2021年度に北陸3県の3空港(小松、富山、能登)を発着した羽田線の利用者数は、2020年度比56.2%増の53万7,000人となった。

増加率が大きく見えるのは、コロナ禍1年目に利用が急減したためで、コロナ前の2019年度と比べると65.1%減となる。

「コロナ前」と言ってはみたが、2019年度も最終盤(2、3月あたり)はコロナの影響を受けている。2018年度と比べてみると、65.6%減で、減少率がやや拡大した。

小松、富山空港は羽田線以外の国内線もあるが、運休が多く利用の分母が小さい路線を省き、各空港の状況を比較しやすいよう、今回は羽田線のみ抽出した。

コロナ前からの回復度は「小松 > 能登 > 富山」

空港ごとに2021年度と2019年度の利用者数を比べると、減少率が小さい順に①小松(60.9%減)②能登(71.6%減)③富山(74.7%減)となった。

こうして見ると、小松と富山の間には14ポイントほどの開きがあり、興味深い。

いずれの空港も年度ごとの棒グラフの形状は似通っているので、特に言及することはないが、参考までに掲載する。

政府は2022年6月10日から、インバウンド(訪日外国人旅行者)の受け入れを再開する。

思えば「インバウンド3,000万人を目標に」「いや、目指すは4,000万人だ」と言っていたのは、もう3年も前。

当時は北陸でも至るところで外国人観光客の姿を見掛け、随分と目が慣れたものだが、コロナ禍では全く見なくなった。

北陸では外国人や観光客が街を闊歩(かっぽ)することに否定的で閉鎖的な論調も一部にあるが、現代において鎖国できるわけでもあるまいし、購買力に優れ、支店の異なる外国人が地域に来てこそ経済が活性化する。

時代に逆行しても何の意味もない。再び外国人が楽しげに街中を歩き、それに伴って街が少しずつ変わる日々が待ち遠しい。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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