北陸財務局が2022年7月27日に公表した資料に、興味深い箇所があった。
財務局がJR西日本の発表を基に試算した北陸新幹線の利用者数(上越妙高―糸魚川)は、金沢開業7年目に当たる2021年度(20年3月14日~21年3月13日)に363万人となり、コロナ本格拡大前の2019年度と比べて55%減の水準だったという。
コロナ禍では誰しも「街が随分と静かになったなあ」と感じているだろうが、それはやや感覚が麻痺しているかも知れない。新幹線利用者は在来線特急時代と比較すると、15%増のレベル感にあるらしい。
さすがに「コロナ初年度」とも言うべき2020年度は、越後湯沢駅で「はくたか」と「MAXとき」を乗り換えていた在来線特急時代より少ないが、それでも10%減の水準。2021年度に至っては、これだけ街が閑散として見えてなお、在来線時代よりも多くの人が行き来しているというのだ。
もちろん、この間に宿泊施設の数が急増し、観光施設の能力が拡大するなど、受け皿のキャパシティーは大きくなった。だから「街が静か」という感覚は、あながち間違いではない。
その上で、新幹線利用者数が今なお在来線特急時代から年間50万人、1日当たり1,400人かさ上げされた状況を見ていると、「利用者数が新幹線開業前の3倍!」と熱狂していた2015年度と異なり、しみじみと新幹線効果の大きさについて考えてしまう。
※北陸財務局の資料は以下のURLから参照を。
https://lfb.mof.go.jp/hokuriku/content/006/2022072705.pdf
※まとめページは以下のリンクから