大阪税関がまとめた北陸三県の2021年上半期の貿易概況によると、輸出総額は5期ぶり(2年半ぶり)、輸入総額は4期ぶり(2年ぶり)に+に転じた。
コロナ禍は一向に収束しないが、地域によっては徐々に生産活動が正常化し始めており、久々に前年同期を上回った。
輸出総額は前年同期比16・3%増の2188億円だった。よく伸びた品目としては「その他の化学製品」が92・7%増(1・9倍)の135億円、「建設用・鉱山用機械」が35・3%増の206億円。建機が増えているというのは、海外経済が回復し始めている証拠とも受け取れる。
一方、「金属加工機械」や「繊維機械」の輸出が減少した。
輸出は16%増、輸入は13%増
輸入総額は前年同期比13・4%増の2261億円だった。伸びが顕著だった品目は「アルミニウム及び同合金」が47・6%増の357億円、「医薬品」が70・6%増の106億円。
減ったのは「織物用糸及び繊維製品」、「電気機器」だった。
輸出、輸入とも、減少品目を見ると、繊維系の停滞が目立つ印象がある。この辺りは長期的なトレンドで低迷しているところに、コロナ禍のマイナス影響が加わり、底が見えない状況に陥っていると思える。
貿易の相手国は輸出、輸入とも中国が1位。2位もともに韓国だった。中国はコロナ禍の発生源なのに、いち早く経済が回復(ただし、足元では回復鈍化も)したことで、北陸でも存在感が増しているようだ。