中部経済産業局によると、2022年7月の北陸3県の百貨店売上高は前年同月比1.9%増の51億9,800万円だった。前年同月の実績を上回るのは4月から4カ月の連続となる。もっとも、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年と比べると、1割以上のマイナス水準となっている。
7月の売上高は主力の衣料品で「紳士服・洋品」が2.1%増、「夫人・子供服・洋品」が6.7%増となった。
「飲食料品」「家庭用品」などが前年同月の実績を割り込んだが、衣料品の回復がカバーした。
直近4カ月の売上高を2019年と比較すると、以下の通り。
22年売上高(百万円) | 19年売上高(百万円) | 22年/19年(%) | |
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4月 | 4,978 | 5,485 | ▲9.2% |
5月 | 5,008 | 5,513 | ▲9.1% |
6月 | 5,044 | 5,883 | ▲14.2% |
7月 | 5,198 | 6,117 | ▲15.0% |
2020~22年だけを見ていると、22年は随分と回復したように見える。しかし、19年と比べてみたら、やや失速しているようにも見える。
「リベンジ消費」は本当に大きい?
小売業者は長引くコロナ禍の中、アフターコロナ(あるいはウィズコロナ)時代における「リベンジ消費」に大きな期待をしてきたわけだが、筆者としてはコロナ禍で消費者の意識が変容し、当初の想定ほどリベンジ消費は大きくないだろうとみている。
この構図を簡略化すると
小売業者「長く我慢してきた反動から、コロナが落ち着けば、コートとかスーツとか高価格の物品がたくさん売れる」
消費者「先行きが不安だなあ。そもそも、物を買わなくても外食しなくても、意外に生活できるって分かったしなあ」
という感じか。今後の推移を注意深く見守りたい。
※北陸の小売り主要6業態の市場規模がコロナ禍でどう変化してきたかをまとめた記事は以下のリンクから