【続報⑥】手取川ダムの貯水率、一時16%まで下がるも徐々に回復、20日ぶりに20%を超える

【続報⑥】手取川ダムの貯水率、一時16%まで下がるも徐々に回復、20日ぶりに20%を超える

2023年夏に水位が下がっていた白山市の手取川ダムの貯水率は、9月末に一時16%まで低下したが、久しぶりにまとまった降雨があったことで、10月1日に20%を回復した。

(出典・石川県防災ポータル)

まとめページは以下のリンクから

【まとめ】2023年夏、少雨で手取川ダムの水位が低下/なのに一切話題にならない不思議

2023年夏は少雨と猛暑の合わせ技により、石川県内最大のダム「手取川ダム」の水位…
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9月下旬にまとまった雨も…

筆者のまとめによれば、石川県で最も大きなダム「手取川ダム」の貯水率が20%台に回復するのは、9月11日以来で、数えると20日ぶりとなる。

2023年夏は真夏日が続いて降雨が極端に少なかったが、9月下旬になってむしろ(平野部では)雨の日が多いぐらいに気候が転換した。

もっとも、その割には山の方は雨が少ないのか、思ったほど水位は回復していない。以下のグラフは9月15日に行政が開いた連絡会で配られた資料に、筆者がフリーハンドで太い赤線を加えたもの。

他の線と比べると、2023年は随分と下にあることが分かる。20%まで回復したからと言って、あまり安心できる感じではなさそうだ。

今年は暖冬で少雪の予報

それと言うのも、NHKによる2023年9月22日の報道によると、金沢地方気象台は23年12月~24年2月の北陸地方は気温が平年より高い暖冬になる見通しと予測している。気温が高いために、降雪量も平年と比べて少なくなる見通しだという。

上のグラフにある通り、ダムの水位というのは「夏に下がった分を秋に回復させ、冬はさらに大きく下がるものの、春に雪解けで回復する」というサイクルを繰り返す。冬の貯水率は夏を下回ることもある。

2023年の夏は例年になく水位が下がっており、冬も少雪なら春の雪解け水は少ないと予想される。もともと残る水が少ないところに、さらに流れ込む水量が少なかったら…。まあ、秋にたくさん雨が降れば問題ないのかも知れないが。今後の「すいい」に注目したい。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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