複利の力を検証・シミュレーション / 三菱UFJフィナンシャルグループ株を20年積み立てたら、どうなる??

複利の力を検証・シミュレーション / 三菱UFJフィナンシャルグループ株を20年積み立てたら、どうなる??

2021年12月14日

高校生の頃、数学の教科書に一瞬だけ出てきた「複利」。当時は聞き流していたが、投資を始めると、よく聞く言葉だ。

いま一度、その力を検証し、複利効果を使えば、いかに容易に小金持ちになれるかを探る。

昼食は弁当!タバコはやめる!

投資本では「収入の半分を投資に回す」みたいな極端な前提も散見されるが、それができれば苦労しない。

今回は毎日外食していた昼食を前日の残り物主体の弁当にして浮いた500円、タバコをやめて浮いた500円の計1000円を元手に投資する前提とする。週7000円だから、取引ができる平日5日間で割ると、1日当たり1400円だ。

では、どの銘柄を買うのか。目を付けたのが三菱UFJフィナンシャルグループ。12月13日の終値は628円で買いやすい。

もちろん、景気動向による株価の上下はあるが、今の株価水準はちょうど直近5年の平均あたりとなっている。

日本最大のメガバンクで、財務も健全。海外でも利益をあげている。20年間の積み立てを考える上で、永続しそうな企業かどうかは大切な視点だ。

ただ、未来は予測できないので、今後20年間にわたり、直近5年と同程度の株価水準にあると仮定する(筆者としては値上がり余地が大きいとみているが…)。

つまり、平均的に630円で安定する株を、SBIネオモバイル証券など1株単位で売買できる証券会社で、毎日2株ずつ買う。

現在、同社の配当利回りは4・5%ほど。積み立てで得た配当は2割の税金が引かれた後、そのまま株の買い増しに充てる。

初期は威力が分からない

配当は半年ごとに出る。1年間に平日は250日ほどあるので、半年なら125日。平日1日につき2株を買うので、最初の半年間は

630(円)×250(株)=15万7500(円)

を投資し、税引き後2835円の配当を得て、配当で株を買い増す。

次の半年間で250株を買い増し、それまでに買った株と配当で買った株を合わせた分で得た配当で、さらに買い増し……という作業を繰り返すと、資産は下のグラフのようになる。

「元金の累計」は預金金利がほとんどゼロに近い銀行に預けた場合と考えてもいい。

見ての通り、当初はシミュレーションと元金の累計に大きな差はない。資産が100万円を超える投資4年目の上半期、元金の累計との差は6万円にすぎない。だが、資産が200万円を上回る6年目の下半期、その差は20万円弱にまで広がる。

エクセルで計算した結果を見た時、筆者は数式の入力間違いかと思った。それほど大きな差が出始めている。

9年目の上半期には資産が300万円を超える。この時、差は42万円。13年目の上半期に資産500万円を突破する頃には、差は122万円になる。

19年目に1000万円を突破

19年目の上半期には、資産が1000万円を突破する。元金の累計と比べると、438万円という大きな差になる。

20年間の投資を終えた時点では

資産1184万円、元金630万円、差額554万円

持ち株数1万8798株、税引き後の年間配当は83万円

となる。1184万円あれば、売れば子ども2人が大学に通う費用にはなるし、保有し続けるなら、配当は月7万円程度の定期収入になる。地方なら賃貸アパートの家賃を払えそうな金額だ。

千里の道も一歩から。皮算用ではあるが、三菱UFJなら値上がりや増配も期待できる。昼食を節約し、禁煙すれば、他の生活水準を落とさなくても、複利の力で資産が形成できる。

複利効果、おそるべし。願わくば、高校時代にもっと詳しく教えてほしかったなあ。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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