私的整理を申請したジェネリック医薬品(後発薬)大手の日医工(富山市)の株価が乱高下している。私的整理を検討している旨の報道が出て2日連続でストップ安になったかと思えば、調整日を経て、2022年5月18日時点で2日連続のストップ高となっている。
私的整理に関する第1報は2022年5月12日付の朝刊。11日の終値は772円だったが、12日は朝から売り気配が多すぎて値がつかず、ストップ安水準の622円(前日終値比150円安、19.4%安)。13日も同様の値動きで、ストップ安水準の522円(同100円安、16.0%安)となった。
土日(14、15日)を挟み、制限値幅が拡大された16日、日医工の株価は196~287円で取引された。ストップ安にはならなかったものの、終値は248円(同274円安、52.4%安)で、たった1日で株価が半値になるという株主にとっては地獄のような日となった。
驚くのは17日で、朝から大幅に反発して始まり、結局はストップ高水準の328円(同80円高、32.2%高)で着地した。18日も寄り付いてからどんどん値を上げ、ストップ高水準の408円(同80円高、24.3%高)で引けた。
2連続S安からの2連続S高
株価は だいぶ戻った?
2連続S安からの2連続S高、と聞いて「じゃあ、株価はだいぶ戻ったんだね」と思う人がいるかもしれないが、違う。
18日終値は暴落前と比べて47.1%(364円)安い水準にとどまる。仮に暴落初日の終値と比べても34.4%(214円)安い。
東証の「値幅制限」は前日の終値によって変わる。終値の絶対額が大きいほど制限値幅は大きく、絶対額が小さいほど制限値幅は小さい。
だから、暴落する時はもともとの価格が高いので制限値幅が大きく、いったん株価が下がってしまうと、今度は制限値幅が小さくなる。そのため、下がる時よりも上がる時の方が時間を要するのだ。
では、今後は上がるのか下がるのか。正直に言って分からない。18日の気配からすれば、19日朝方は上がるだろうが、その後は不透明極まりない。現状、かなりギャンブル性の高い投資先であるのは間違いなく、筆者としては、わざわざに手を出す必要はないと思っている。
※まとめページは以下のリンクから