【北陸経済、マネー】日医工とメディパルが資本業務提携

ジェネリック医薬品(後発薬)の日医工(富山市)は17日、医薬品卸売業で国内最大手のメディパルホールディングス(東京)と資本業務提携を締結した。日医工は今年春、不適切な手順で医薬品を作り続けていたとして富山県から行政処分を受けた。品質管理の強化や信用回復が急務となる中、薬局にも顔の効く流通のメディパルとともに製造、販売の連携体制を構築する。

メディパルと提携した日医工の本社

日医工は9月2日を払込期日とした第三者割当増資を実施し、メディパルに対し、1株841円で622万株を割り当てる(ちなみに841円という価額は直近4営業日の終値の平均らしい)。メディパルは52億3102万円を支払う。日医工の手元には発行費用を差し引いた51億9102万円が残る仕組み。

日医工はこの52億円弱を、製造管理や品質管理のための設備投資に活用し、2023年3月までに、試験機の導入や更新を進めるらしい。

17日午後3時半の発表を受け、株式市場では時間外取引で同社の株価が一時10%超高い935円を付けた。午後11時時点では値動きは落ち着き、875円となっている。

筆頭株主が交代、メディパルに。しかし、実質は…

今回の新株発行の大きなポイントは筆頭株主がメディパルに移ることだろう。

これまで日医工の筆頭株主は田村友一社長が代表を務める会社、TAMURA(富山市)で、発行済み株式総数(自己株式除く)のうち7・11%だった。同社の登記簿を見ると、役員は田村姓ばかりなので、おそらく創業家の田村一族の資産管理会社だろう。

9月2日以降はメディパルの保有比率が9・90%に上がり、TAMURAを上回って筆頭株主に躍り出る。今春の行政処分以降、例えば、株式のネット掲示板などでは経営陣の刷新を煽る意見が散見された。筆頭株主が創業家でなくなることは、非難していた彼らが留飲を下げる一因にはなりそうだ。

ただ、17日の発表資料に掲載された大株主一覧を見ると、少し見方が変わる。

9月2日以降の名簿で2位のTAMURA、6位の田村友一社長の持ち分を合わせると、9・02%となる。さらに、5位の「株式会社拓」の所在地を調べると、日医工本社の隣にある「TAMURA BUILDING」内にある。他にホームページらしきものも見当たらない辺りからすると、田村一族の会社なのかもしれない。この会社が3・01%分を保有している。

3者を合わせると12%を超える。名簿上の筆頭株主が交代しても、実質的には同族支配の同族経営であることに変わりはなさそうだ。

製版体制の再構築に期待

現在、消費者や薬局の現場では日医工製品に対する不信感が高まり、採用率が下がっているらしい。ここでメディパルが加われば、多少は不信感も和らぐか。

さらに、3兆円企業のメディパルとの関係が密になることで、メディパルが計画的に医薬品を発注し、緻密な予測の下で生産スケジュールを立てることが可能になるとの狙いもある。日医工は、ここで余剰となった人員を新製品開発などに充てるつもりだそうだ。

製造、販売体制の再構築により、一度は地に落ちかけた信用を回復できるか。

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