8番らーめんを展開するハチバン(金沢市)は1日、2022年3月期通期の連結決算を下方修正し、これまで3000万円の黒字を予想していた最終損益を、一転して9500万円の赤字予想に引き下げた。

営業収益は前回予想比8・4%減の60億円、営業損失は1億円予想から拡大して2億7500万円とした。
前期(21年3月期)と比べると、やや増収で赤字縮小となる。
下方修正の理由として、同社は営業時間短縮や酒類の提供自粛要請が終わっても、午後9時以降の深夜帯の来店客数が回復しない、としている。
11月以降は客足の回復局面を予想するが、それでもコロナ禍1年目の昨年と同程度になる見込みだという。
8番の既存店売上高、コロナ前から2割ほど減
ちなみに同社が示した今期の既存店売上高の推移を見ると、8番らーめんはコロナ前の2年前と比べ、2割ほど減少している。ダメージが大きいのは和食店舗で売り上げは半減している。
21年9月中間期の連結決算は、増収で、営業、経常、純損失が縮小した。

営業収益は5・9%増の28億6000万円、営業損失は4億6000万円から2億2500万円、純損失は3億7900万円から6600万円に改善した。
でも役員報酬は増加???
外食業が厳しい状況にあるのは国民共通のコンセンサスがあるが、同社の中間期の損益計算書を見ていて、一つ気付いた。
赤字回避のためにいろいろと経費を削った跡は見えるのだが、役員報酬が前年の5441万円から5944万円に増えているのだ。役員数が増えたのだろうか?まさか赤字の時に1人当たりの報酬額を増やさないだろうし…機会があれば同社に真相を聞いてみたい。
営業外収益では前年同期の雇用調整助成金がなくなったが、その3倍の金額の「協力金」が入っている。おそらく時短や休業への協力金だろう。前年同期に計上していた減損損失が消えたことも、純損失の改善を後押しした。