小矢部市発祥で、今も同市に生産拠点・本店を置くゴールドウイン(東京)が8日発表した2021年4~12月期(3Q、第3四半期)の連結決算は、増収増益で、各利益は通期(22年3月期)の計画値を上回った。
売上高 | 営業利益 | 純利益 | |
3Q実績 | 73,782(6.6) | 14,157(4.3) | 10,789(16.8) |
通期計画 | 100,000(10.5) | 14,000(▲5.7) | 10,300(▲4.0) |
12月の月次売上高は過去最高に
今期は新型コロナ再拡大の影響を受ける中、11月後半からは全国的に気温が下がり、単価の高い冬物が売れて売り上げが回復。保温性に優れたダウンジャケットやフリースなど(同社はザ・ノース・フェイス、ヘリーハンセン、ゴールドウインなどのブランドを持つ)の主力商品が順調で、12月の売上高は過去最高となった。

インバウンド需要の低調が続くため都市部の店舗は振るわないが、アウトレットを含む郊外店が貢献。売上総利益率(粗利益率)は53.7%で前期並みを維持した。
その上で販管費は期初に見込んだ広告宣伝費が、コロナ再拡大に伴う広告自粛によって減少。持分法による投資利益も加わり、利益を大きく押し上げた。
同社は20年3月期が過去最高の業績で、当時の業績は以下の通り。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
97,899 | 17,480 | 16,375 | 10,770 |
近年の業績を見ると、同社の売り上げが最も多いのは第3四半期(10~12月)で、最も少ないのが第1四半期(4~6月)。第2四半期(7~9月)と第4四半期(1~3月)はその中間程度に当たる。
通期予想は新型コロナの影響が不透明だとして据え置いたが、足元ではコロナが拡大する中で人出は増えており、消費意欲も高い。今期は過去最高業績の更新も狙えそうだ。
利益の増加を受けて増配
3Q終了時点の利益水準の高さから、同社は期末配当予想を50円から55円に引き上げた。中間は20円を実施済みで、年配当は75円となる。前期は年70円だったので、5円の増配となる見込み。