コマニー、経営陣による自社買収で非上場化へ/競合激化、人口減少で経営体制を見直し

東証スタンダード上場で、間仕切りを製造販売するコマニー(小松市)は10日、創業一族の塚本家が株主の資産管理会社コマツコーサン(同)がコマニー株の公開買付を実施すると発表した。経営者による自社買収、いわゆるMBOで、コマニーの取締役会は10日、賛同を決議し、株主に応募を推奨した。買い付けが成功すれば、コマニーは非上場化される。

コマニーのホームページ

コマニーの発表資料によると、発行済み株式総数から自己株式を除いた株式数は913万6,537株ある。このうち、筆頭株主のコマツコーサンは10.11%に当たる92万3,300株を保有している。塚本一族や創業時からの役職員が保有する125万5,017株(保有比率13.74%)についてはMBOに応募する契約を結んでいる。

公開買付は5月11日~6月21日に実施し、買付価格は1株2,100円。10日終値は1,194円なので、75%ものプレミアムがつくことになる。

コマニーは1961年に「小松キャビネット」という商号で設立された。84年には商号を「コマニー」に改め、89年には名証2部に上場した。2015年には東証2部にも上場している。資本金は71億2,100万円(21年3月末)で、連結の従業員数は1,252人。

22年5月10日に発表した22年3月期の連結決算は、売上高が323億5,900万円、純利益が10億7,000万円だった。

石川県内の上場企業、今年3例目の上場廃止

石川県内では今年、スペースバリューホールディングス(旧・日成ビルド工業、金沢市)が3月に非上場化した。次いでアイ・オー・データ機器(金沢市)でMBOが成立し、6月に上場廃止となる見込みで、コマニーは今年だけで県内3社目の非上場化になる見通し。

コマニーが上場をやめる背景には、①主要事業の間仕切りが異業種を含めた多くのメーカーによる競争の激しさにさらされていること、②売上高を全て国内で稼ぐビジネスモデルの下では人口減少に伴う長期的な市場縮小が懸念されることーがある。

コロナ禍では企業を取り巻く経営環境どころか、社会の仕組み自体が大幅に変わっている。コマニーの例もそうだが、各社は短期的な株主(株価)対策や利益を追い求めるのではなく、長期的なビジョンとスピード感ある思い切った施策で難局を乗り切るための一方策として「非上場」を選んでいるようだ。

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