【提言】金沢エムザ、ベストな改装プランはコレだ!/下層階は近江町市場の延長と位置づけ/婦人服・紳士服は1フロアに集約/上層階は全て「IKEA」

当サイトではかねて金沢エムザに関し、今さら目新しくもないTSUTAYA(19時閉店というのは逆に珍しいが…)を入れるのを批判してきたわけだが、それだけだと単なるクレーマーと受け取られかねないので、ここでエムザを活性化するのに最適と思う案を示したい。

エムザを巡っては一部地権者と地元紙が建て替えに前向きのようだが、基本は無理だろうから既存の建物を活用する前提とした。

現状は特徴のないフロア構成

まずは現状のフロア構成を、エムザのホームページを基にまとめた。

100年前と同じ(比喩です)フロア構成である。よく言えばバランスがとれており、悪く言えば総花的で何の特徴もない。北海道の百貨店も沖縄の百貨店も、みんなこんな感じである。

「1億総中流」の時代は、みんなが持っているものを自分も持っていることが「幸せ」の1つの形だったので、それで良かったのだろう。が、価値観が多様化する現代において、特徴のない店は、そのままスポットとしての魅力のなさにつながる。

催事場を除く8フロアのうち、6フロアがアパレル関連(子ども服含む)。「モノ消費からコト消費へ」と言われて久しいのに、アパレル以外に割く売り場は、何と2/8フロアしかない。

百貨店という商売が消費者の支持を受けていない最大の理由は、未だにアパレル偏重で全国一律の売り場を作って満足する化石のようなビジネスモデルが故だ。

改装のポイントは近江町市場と立体駐車場

では、最適化プランを語る上で、エムザの立地を見てみる。

ポイントは向かいが近江町市場であるということ。また、金沢駅側には620台を収容する立体駐車場があり、市街地での買い物でネックになりがちな駐車場問題はあまり気にしなくて良い。周辺の道路は大通りが多く、比較的分かりやすい。

最適化プランは近江町市場、立体駐車場との関係を特に意識した上で、持続可能性を高めるために若い世代をいかに取り込むかを検討した。その結果は以下の通りだ。

近江町市場と横断歩道や連絡通路でつながる1階・地階は、近江町市場の延長のような位置づけで、食関連のフロアとする。想定するテナントは例えば高級スーパーの「成城石井」の北陸1号店や輸入食品などを扱う「カルディ」などの物販店と各種レストラン。

「市民の台所」近江町市場は今や観光市場化が引き返せないだろうところまで来ており、今後さらに住民が買い物しにくくなると思う。そこでエムザの下層階はメイン顧客の地元住民が日常の買い物や食事に使えるほか、ホテルの長期滞在者も気を張らずに使える食関連の専門フロアにすることが最適と考えた。

今どき、1階を化粧品や婦人服の売り場にしておくのはもったいない。「デパ地下」を地下に押し込めず、むしろ前面に出して近江町市場との一体感を出すべきだ。

ベビーカーやショッピングカートで館内を行き来

館内のエスカレーターは全て、ベビーカーやショッピングカートのまま行き来できる、動く歩道のような仕様に変更する(下の写真を参照)。これは小さい子どもを連れた親世代はもちろん、年配の人も含めた全ての人が心理的なハードルなしに館内を回遊しやすくするための設備だ。

カートのまま利用できるエスカレーター

その流れで、駐車場と連絡通路で直結する3階は、ベビーカー持参で来館する小さな子ども連れが最も使いやすいフロアなので、子どもの衣料品、おもちゃ、書籍(TSUTAYA)を充実させる。

物販機能だけでなく、時間料金制の遊具コーナーを設けてもいい。この際、2階も含めて2フロアを子ども特化フロアにしてしまって「北陸最大の子育て応援店」みたいな打ち出し方をしてもいいかも知れない。メインのターゲットは県内一円の子育て世帯だ。

4~8階は思い切って北欧発のインテリアショップ「IKEA」の北陸1号店とする。それでも郊外の大型店から見れば売り場は狭いかも知れないが、北陸の商圏から考えれば十分な規模だろう。

そう、IKEAに関しては北陸三県から、幅広い世代の来店が見込めると思う。大切なのは「北陸初」の吸引力であり、それが日本の大都市圏で長年にわたり受け入れられてきたという安心感と実績だ。インテリアはそれなりに重量があるので、売り場構成次第で、どこか便利なフロアに立体駐車場との連絡通路を設けるべきだろう。

エムザは「8階建ての箱」に過ぎない

まとめると、下層階の食関連フロアは地元客中心に高頻度での利用を想定し、近江町市場との一体感を出す。中層階は立体駐車場との連絡通路を生かして若い子育て世代向けフロアとし、中商圏を見込む。高層階は広く北陸全体から「目的地」として意識される広域型のテナントを入れる、ということだ。

この最適化プランには「百貨店」への配慮や敬意を微塵も含まず、エムザを「武蔵交差点にある8階建ての箱」としか見ていない。こんなプランを口にすると、おそらく高貴な百貨店関係者からは「我々は場所貸し業ではない」とあしらわれると思う。

でも、大事なのは従来の方法に固執してプライドを守ることではなく、柔軟に商売の定義を変え、築数十年の古びた施設に若者が足繁く通う光景を再び作れるかどうか。そうなって初めて各地権者がビジネスの持続可能性を信じられる。そして「建て替え」という、現状は不可能な構想を具体化する第1歩を踏み出せるようになるのだろう。

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