クスリのアオキHD、中間決算は売り上げ過去最高も利益率は悪化

私たちは1円の儲けを積み重ねるビジネスをやっている

経済記者として駆け出しの頃、食品スーパーの役員から聞いた言葉だ。いわゆる「薄利多売」の言い換えで、小売業の利益率の低さを物語る言葉である。

 

クスリのアオキホールディングス(HD、白山市)が4日に発表した2022年11月中間期の連結決算は、売上高が過去最高だったが、利益率は悪化した。

売上高営業利益純利益
中間期161,1926,8054,694
通期予想338,00016,30011,400
進ちょく率47.6%41.7%41.1%
単位は百万円

今期から会計認識基準を変更したため、前年同期との比較はない。代わりに通期予想との進ちょく率を見ると、利益面は年間計画の4割の水準にとどまっている。

この点、例えば21年11月中間期の進ちょく率は売上高が48.3%で今回と同程度だが、営業利益は51.4%、純利益は54.5%で、上半期の終了時点で計画の半分を超えていた。ここから見ても、利益面が苦戦気味なのが分かる。

さて、見出しや記事冒頭で「売上高が過去最高」とうたったが、ドラッグストアの売上高の増加幅は参考情報に過ぎない。

店舗は年間で125店も増加

例えば、クスリのアオキHDの店舗数は、この中間期終了時点で780店。前年同期時点では655店だから、なんと、1年間で125店(19.0%)も増加している。それだけ爆発的に店が増えれば、売上高は増えない方がおかしい。

それでは、今回、利益の進ちょく率が悪いのは、なぜか。損益計算書に詳細な記述はないが、売上高の増加ペース以上に、売上原価の増加ペースが速く、ひいては粗利益(売上総利益)が前年同期より減少したようだ。人件費などを含む販管費も事業の拡大に合わせて増加したため、営業利益率は前年同期の5.6%から4.2%に低下した。

当サイトでは以前から、アオキは利益率が良いPB商品の取り組みが遅れていると指摘してきたが、今回も、その影響があったのかもしれない。

クスリのアオキHDが4日発表した12月度の営業速報によると、既存店売上高は前年同期比1.5%減、全店売上高は11.8%増だった。既存店売上高が前年同期を下回るのは2か月連続となる。

岩手の2社を吸収合併

クスリのアオキHDの子会社、クスリのアオキは3月1日、食品スーパー経営のホーマス・キリンヤ(岩手県一関市)とディスカウントショップ経営のフードパワーセンター・バリュー(同)を吸収合併する。

食品スーパーの持つ食材の品ぞろえに、ドラッグストアのヘルス&ビューティーや日用品の品ぞろえ、調剤薬局などを組み合わせ、東北エリアで相乗効果を出すそうな。

何だかありがちな理由である。

確かに、鮮魚や野菜なんかは地元の漁師や生産者とのコネクションが必要で、そうしたネットワークは新参者が一朝一夕に整えられない。

その証拠に、ドン・キホーテの親会社がアピタ(ユニー)を買収し、魚津市などではアピタ店舗をドンキとユニーのWネーム店に改装して営業している。アオキが近年、ナルックスをはじめ各地でスーパーを次々と買収している背景にも、同様の理由があるとみられる。

ただ、アオキの場合、買収した先の企業の店舗は早々に潰し、新たにアオキの新店を建て、買収先が持っていた調達ルートやコネクションのみを活用するような印象が強い。これはこれで賢いやり方ではあるが、一方で買収先や関係者からの反感も買っていそうで、長い目で見て得策なのか、筆者としては疑問が残るところでもある。

コメントを残す